永井均「存在と時間 哲学探究1」の要約と感想

このブログで私は、永井均という哲学者が書いた「存在と時間 哲学探究1」(文藝春秋)という本について、要約や感想を書いています。私は、哲学とか一度も勉強したことがなくて、哲学は全くのど素人なのですが、この本がすっごく大好きで、何回も繰り返し読みました。そして、ぜひたくさんの人に読んでもらいたいな、と思って、このブログを書きました。人生においてすっごく大事なことがぎっしり詰まった本だと思います。特に、悩みや苦しみを抱えている人が読むと、その悩みや苦しみが消えてしまうかもしれません。

それなら同じことが〈私〉についても言えるか

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それなら同じことが〈私〉についても言えるか

【要約】

1~2段落(69頁)

「周囲のみんなはみなその同じ〈今〉にいる」とは言えても「他時点の私は同じ〈私〉を共有する」とは言えない。特定の人物を経由することなしに未来の自分に直接語りかけることはできないからである。〈私〉は、特定の人物にも概念化された私にも変質することなく、時間的に持続することはできない。つまり事実として〈私〉は〈今〉から切り離すことができない。

 

3~5段落(71頁)

であれば、〈今〉も〈私〉から切り離せない(周囲のみんなは〈今〉を共有していない)と考えることはできる。つまり、未来の私が今の私と同一人物であるだけで〈私〉であるとはいえないのと同様、今の他者たちは私の今と同時にいるだけで〈今〉にいるとはいえないとも言える。