永井均「存在と時間 哲学探究1」の要約と感想

このブログで私は、永井均という哲学者が書いた「存在と時間 哲学探究1」(文藝春秋)という本について、要約や感想を書いています。私は、哲学とか一度も勉強したことがなくて、哲学は全くのど素人なのですが、この本がすっごく大好きで、何回も繰り返し読みました。そして、ぜひたくさんの人に読んでもらいたいな、と思って、このブログを書きました。人生においてすっごく大事なことがぎっしり詰まった本だと思います。特に、悩みや苦しみを抱えている人が読むと、その悩みや苦しみが消えてしまうかもしれません。

本質直観 概念分析 思考実験

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本質直観 概念分析 思考実験

【要約】

1段落(152頁)

プラトンの想起説とアリストテレスの批判」の現代における後継者は「現象学の本質直観と分析哲学の概念分析」である。私が行った記憶の本質探究(本質の思い出し)は、それの本質を直観しようとしたと言ってもよいし、それの概念分析をしようとしたと言ってもよい。

 

2段落(153頁)

普通の実験がこの世界で実際に成り立っている諸事実を明らかにするのに対し、記憶の入れ替わりのような思考実験は、この世界で実際に成り立っている諸事実を離れた、離れても残らざるをえないその本質を炙り出すのに役立つ。その際、ものごとの本質部分を炙り出すこととそれを語る言葉の意味の中核の部分を取り出すこととは一致せざるをえない。

 

3~4段落(153頁)

たとえばゾンビの思考実験は意識の本質を炙り出すために考案された。もしゾンビが想定可能なら、意識は脳の特定の状態とも身体の外的な振る舞いとも「本質的な」繋がりは持っていないことになる。