永井均「存在と時間 哲学探究1」の要約と感想

このブログで私は、永井均という哲学者が書いた「存在と時間 哲学探究1」(文藝春秋)という本について、要約や感想を書いています。私は、哲学とか一度も勉強したことがなくて、哲学は全くのど素人なのですが、この本がすっごく大好きで、何回も繰り返し読みました。そして、ぜひたくさんの人に読んでもらいたいな、と思って、このブログを書きました。人生においてすっごく大事なことがぎっしり詰まった本だと思います。特に、悩みや苦しみを抱えている人が読むと、その悩みや苦しみが消えてしまうかもしれません。

時間の「矛盾」

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時間の「矛盾」

【要約】

1~4段落(206頁)

マクタガートの「それぞれの出来事に、過去・現在・未来という両立不可能な特性が述語づけられうるが、これは両立不可能性と不整合、且つ、変化を産み出すことと不整合」という議論は、一見するとずいぶん無理なことが言われているように見える。しかし彼はその後、これは、A系列を説明するために、(要素としてA系列が不可欠な)時間の存在を前提としている点が悪循環だと(だから両立不可能だと)、主張している。また、この次のまとめでは、悪循環の指摘の前に、「現在であり、未来だった、過去になるだろう」を「現在において現在であり、過去において未来であり、未来において過去である」へと言い換えている。ここが重要である。