時間の「矛盾」
【要約】
1~4段落(206頁)
マクタガートの「それぞれの出来事に、過去・現在・未来という両立不可能な特性が述語づけられうるが、これは両立不可能性と不整合、且つ、変化を産み出すことと不整合」という議論は、一見するとずいぶん無理なことが言われているように見える。しかし彼はその後、これは、A系列を説明するために、(要素としてA系列が不可欠な)時間の存在を前提としている点が悪循環だと(だから両立不可能だと)、主張している。また、この次のまとめでは、悪循環の指摘の前に、「現在であり、未来だった、過去になるだろう」を「現在において現在であり、過去において未来であり、未来において過去である」へと言い換えている。ここが重要である。