第15章 B系列こそが時間の動性の表現である
(無題)
【要約】
1段落(268頁)
「で、その動く現在は今はどこにいるんだい?」という問いに関連し、A系列をB系列から分かつ二つの基準(前項12段落)のうち、第一の基準は「今」について語っており、第二の基準は「動く現在」について語っている。この二つの基準は「現在(今)」の二つの側面を表現しているが、どこまでも相互否定の関係にある。この関係を、ルイス・キャロルの「カメがアキレスに言ったこと」と比べると面白い。
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【感想】
「端的な現実の現在」をアキレスに「動く可能な現在」をカメに対応させるこの議論は、第16章の「現実の動く現在」という節で、「現実の動く現在」の独自の意義が見落とされているという意味で「短絡的」と評されていますので、そちらもお読みください。