永井均「存在と時間 哲学探究1」の要約と感想

このブログで私は、永井均という哲学者が書いた「存在と時間 哲学探究1」(文藝春秋)という本について、要約や感想を書いています。私は、哲学とか一度も勉強したことがなくて、哲学は全くのど素人なのですが、この本がすっごく大好きで、何回も繰り返し読みました。そして、ぜひたくさんの人に読んでもらいたいな、と思って、このブログを書きました。人生においてすっごく大事なことがぎっしり詰まった本だと思います。特に、悩みや苦しみを抱えている人が読むと、その悩みや苦しみが消えてしまうかもしれません。

2017-11-08から1日間の記事一覧

むきだしの〈今〉は移動しえない

目次はこちら むきだしの〈今〉は移動しえない 【要約】 1~7段落(61頁) 〈私〉が安倍になっても何も変わらないように、〈今〉が20年前になっても何も変わらない。〈私〉の場合と全く同様に〈今〉もむき出しのそれがただ単に移動することはできない。〈私…

(無題)

目次はこちら 第4章 繋がりの仕組みによる〈私〉や〈今〉と、むきだしの〈私〉や〈今〉 (無題) 【要約】 1段落(57頁) 〈今〉は動くが〈私〉は動かない。それはなぜか。 2段落(57頁) 〈私〉はたとえ現実に移動しても移動したことにはならないから移動で…

しかし真に驚くべきなのは他者における〈私〉である

目次はこちら しかし真に驚くべきなのは他者における〈私〉である 【要約】 1~10段落(51頁) 記憶という不可思議な現象が存在することによって、過去の場合は、「それが今だった時」に直接アクセスできる。さっきの出来事は、かならずさっきにおける今の出…

しかし真に典型的なのは〈私〉ではなく〈今〉である

目次はこちら しかし真に典型的なのは〈私〉ではなく〈今〉である 【要約】 1~7段落(48頁) 〈私〉と同型の議論が〈今〉について成り立つ。明白に私ではない安倍晋三にかんして、その安倍晋三における私という人のあり方の成立を認めている(認めなかった…

(無題)

目次はこちら 第3章 私が安倍晋三になってもなったという変化は起きない (無題) 【要約】 1~7段落(43頁) 私が安倍晋三になったとしても、そのことは世界にいかなる痕跡も残さない。記憶は移られた側の心が持つはたらきゆえに、この事実は原理的に記憶不…

中島義道氏の問題の捉え方

目次はこちら 中島義道氏の問題の捉え方 【要約】 1~7段落(34頁) 中島氏は、「なぜ見えるのか」と「なぜこの身体なのか」という2つの問題を合体させた問いを永井の問いとみなしたが、この2つは別の問いであり、これを区別することは重要である。永井の…

宗教的説明はありうるか

目次はこちら 宗教的説明はありうるか 【要約】 1~10段落(28頁) 誰にでも存在する霊魂や仏性をもっては私という例外的存在を説明できず、自分にだけ霊魂があるとか他人は皆実はゾンビだと考えれば無内包の現実性に実在的(リアル)な内包が与えられてしま…

(無題)

目次はこちら 第2章 私は何を問いたいのか――中島義道氏の解釈との対比―― (無題) 【要約】 1~2段落(27頁) 他にもたくさんの意識が生み出されて、存在しているはずなのに、それらは感じられず、意識できないのはなぜか。なぜ意識できない意識がたくさんあ…

問題設定のやり直し

目次はこちら 問題設定のやり直し 【要約】 1~2段落(25頁) すべての生き物に意識状態があるのになぜ現実にはある一つの意識しか感じられないのか。なぜ一つだけ現に感じられる意識が存在するのか。この差異は何が生み出しているのか。「脳が意識を生み出…

実在的(リアル)な差異と現実的(アクチュアル)な差異

目次はこちら 実在的(リアル)な差異と現実的(アクチュアル)な差異 【要約】 1~6段落(22頁) 例えば痛みの、第0次内包も、第1次内包も、第2次内包も、実在的(リアル)な内包であるが、転んだ人が私であれば現実に痛く、私でなければ現実に痛くない…

この問題と似た別の問題の根底にもじつはこの問題が存在する

目次はこちら この問題と似た別の問題の根底にもじつはこの問題が存在する 【要約】 1~8段落(17頁) 他我問題等の認識論的な問題も、一般に人はなぜ他人の痛みが感じられないのか、といった問題も、私がここでこれから論じようとしている問題を最初に捉え…

問題提起

目次はこちら 問題提起 【要約】 1~8段落(15頁) 脳が意識を生み出しているのだから、ある脳状態が実現すればそれに対応してある意識状態が実現するはずである。なのになぜ実際には一つしか感じられないのか。いや、なぜ一つは実際に感じられるのか。そこ…

(無題)

目次はこちら 第1部 世界はなぜのっぺりしていないのか 第1章 私は何を問いたいのか――無内包の現実性―― (無題) 【要約】 1~13段落(10頁) この世界にはあらゆるところに私が提示したいその問題が隠れている。しかも、まったく明々白々に。

目次

第1部 世界はなぜのっぺりしていないのか 第1章 私は何を問いたいのか――無内包の現実性―― (無題)(10頁) 問題提起(15頁) この問題と似た別の問題の根底にもじつはこの問題が存在する(17頁) 実在的(リアル)な差異と現実的(アクチュアル)な差異(22…